【頭虱:あたまじらみ】
アタマジラミという虫が髪の毛の根元にしがみついて皮膚から吸血してかゆみを引き起こす病気です。
小さな虫ですが成虫は2ミリほどの大きさで薄茶から灰色をしており目で見て確認ができます。毛の根元から1-2センチくらいのところに白い紡錘形の卵を産み付けます。卵は一見ふけのようにみえますが触っても簡単にとれず動きません。成虫と虫卵を目視して診断が可能です。
虱の成虫:2-3ミリほどの薄い茶色~灰色の虫です。髪の毛にしがみついていることもあります
虱の卵:紡錘形で髪にしっかり付着して簡単に動きません。爪でしごくととれます。根元から1-2センチくらいに診られることが多いです。筒状のフケは、見た目が卵に似ていますが形がきれいな筒状で、わるとスルスルと動きます。
筒状のフケ
一見見た目が似ていますがスルスルとよく動きます。
しらみの卵
髪の毛にしっかりとくっついているので指で軽く触ったくらいでは動きません。形も紡錘形のような形です。
頭じらみはお子さんに多い病気ですが、頭部の接触で虫が髪の毛を伝って移動することで感染しますので、お子さんがかかることで一緒に寝ている親御さんやご兄弟にも感染してしまうこともあります。プールやお昼寝の時に接触でうつったり、帽子・タオルや枕・シーツなど共用するものからも感染することがあるので学校・幼稚園・保育園などで頭部同士が触れる行動や物を共有することが想定される場合は2週間に一度はしっかり頭部を観察すると早めの対策をとることができます。
駆虫薬であるフェノトリンを含んだスミスリンシャンプーという市販品で治療が可能ですが、学校で流行っているからといってきちんとした診断をせずに駆虫剤入りのシャンプーをやみくも使うことはお子さんのお体への負担にもなりますし、お薬に耐性を持った頭じらみを増やすことにもつながりますので、診断をしっかりつけて適切な治療を行うためにぜひ皮膚科専門医を受診ください。細かな目のクシをつかって虫を除去することも有効です。掻きむしってしまい別の症状を引き起こすこともありますので、早めの受診をお勧めします。
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