【単純ヘルペス・単純疱疹:たんじゅんへるぺす・たんじゅんほうしん】
単純ヘルペスウイルス1型・2型に感染し発症する病気で単純疱疹ともいわれます。口角や唇(口唇ヘルペス)・口の中、陰部(性器ヘルペス)にできることが多いですが、体や他の部位に出る場合もあります。初めて感染した場合や免疫力が低下している場合には、発熱や全身の倦怠感・全身の皮疹が生じる場合もあります。
口唇ヘルペスには唇や口角などの口周りに、性器ヘルペスでは性器やその周囲に、チクチクとした痛みを伴うような小さな水ぶくれがいくつか集まってできる皮疹が典型的です。水泡ができる前から何となくムズムズチクチクとした痛みを感じ、しばらくしてから赤みや水ぶくれができることが多いです。
初めて感染した場合に無症状で自覚なく経過することも多いのですが、一部の方では水ぶくれやただれ腫れ痛みが強く発熱を伴う場合もあります。ヘルペスウイルスは一度感染すると神経を伝って神経の根っこ(神経根)に隠れて潜伏してお休みをしますが、治療をしても完全に排除することはできないため、過労や睡眠不足などで免疫力が低下した時に抵抗力がおちるとウイルスが一気に元気になり眠りから覚めて神経を伝って皮膚表面に痛い水ぶくれを起こします。その後症状が改善してもウイルスはまた潜伏しますので疲れた時に同じ症状を繰り返すことがあります。
軽い症状の場合は、抗ウイルス薬の外用剤を使いますが、早く症状を抑えるために抗ウイルス薬の内服を行うことが多いです。治療しても、ウイルスを完全に体の中から消すことはできませんので、繰り返し発症する方も比較的多くいらっしゃいます。皮膚科専門医の判断のもと確定診断がつけば、繰り返しやすいが症状が出た時にタイミングよく来院できない場合では、PIT療法という治療法を選択することもできます。症状がない時に受診していただいてあらかじめ内服薬を処方し、症状が出た時に6時間以内に内服してもらうという治療法になります。症状が出ているときは、PIT療法よりも通常の内服方法の方が早く治りますので、通常の処方で治療を行います。(通常の治療とPIT療法は同時に処方はできません)
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