異汗性湿疹・汗疱

【異汗性湿疹・汗疱:いかんせいしっしん・かんぽう】

手の平や指、足の裏にぶつぶつと小さな水ぶくれや皮がむけができる湿疹で、かゆみを伴うことが多いです。

異汗性湿疹・汗疱の症状

手の指の側面や手のひら、足の裏に、ぶつぶつと小さな水泡ができ、炎症を起こすと赤く皮むけも伴いかゆみが強くなる方が多いです。炎症が悪化し続く場合は、じゅくじゅくと黄色い汁が出たり、ひりひりとただれた状態になることもあります。

足の裏や足の指にできると、水泡やジュクジュクとした皮むけは、水虫の症状ととても似ているため、市販の水虫薬をつかって悪化してしまうケースもしばしばみられます。汗をかきやすく蒸れやすい夏場に悪化することも多く、注意が必要です。お子さんに生じるケースもありますが、お子さんの場合ですと、炎症を起こさずにかゆみやぶつぶつがでず薄く皮むけするのみの異汗症という状態にとどまることも多いです。

すくないですが、金属アレルギーが原因のことがありますので、その場合は必要に応じてパッチテストを行うこともあります。

異汗性湿疹の治療

ぶつぶつジュクジュクとかゆみが強い場合は、炎症が生じていますので、炎症を抑えるためのステロイド外用剤と、皮むけには角質を柔らかくする保湿剤を併用することが多いです。

炎症が強くじゅくじゅくと腫れも強いケースでは、短期間の少量のステロイド内服薬を使う場合もありますが、異汗性湿疹は体質や季節(夏など)によりくりかえしやすいため、長期のステロイド内服はお勧めしません。

水虫と症状がとても似ていることと、蒸れやすい時期には水虫を併発しているケースもたまにありますので、必要に応じて検査を行いしっかりと鑑別を行ったうえでの治療も必要です。

市販の水虫薬で治らない・悪化したなどの場合は、なるべく早めに皮膚科専門医を受診し診断治療を適切に行うことが大切です。

また、お肌質や環境(靴を一日中履いて蒸れやすいなど)により繰り返しやすいため、普段から靴をこまめに履き替えたり、帰宅時に冷たいお水でよく洗い流し清潔とクールダウンを行う、靴は毎日同じものをはかずにローテーションする、靴下は蒸れにくく汗を吸いやすい素材で場合によっては日中に履き替えるなど、いろいろな生活環境での工夫も効果的ですので、ぜひ診察の時に詳しく説明させてくださいね。

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