自家感作性皮膚炎

【自家感作性皮膚炎:じかかんさせいひふえん】

自家感作皮膚炎という病名は、みなさん聞きなじみがあまりないかもしれませんが、そう珍しい病気ではありません。虫刺され、かぶれ、アトピー、カサカサ湿疹の症状が悪化して治らずくりかえしているうちに、体の中で反応して全く原因のない部位にも同じような皮疹が全身に広がって、かさかさぶつぶつとなる状態の皮膚炎です。ひどい場合は、お熱がでたり全身の症状を引き起こすこともあります。

自家感作性皮膚炎の症状

かぶれや虫刺されといった湿疹が悪化した状態がつづいたあと、腕や足・体など原因のない皮膚にも広い範囲で同じようなかゆみの強い赤みぶつぶつが多発し増えていきます。掻き壊すことでどんどん悪循環になりさらに治りにくくなり、かゆみや掻き壊しによるただれが悪化すると夜も眠れない状態になる場合もあります。

自家感作性皮膚炎の治療

症状のある部位には、炎症を抑えるためのステロイド外用剤を中心とした外用剤をつかいますが、ただれがひどい部位や掻きむしってしまう部位には外用剤を塗った上からガーゼと包帯で密閉することもあります。傷に細菌感染を起こさないように、毎日シャワーでよく洗い流して外用剤のケアをすることが大切です。

強いかゆみと全身の反応性の炎症を抑えるために、抗ヒスタミン剤の内服に、ステロイド剤の内服を短期間行うこともあります。

一番大切なことは最初にできたちょっとした湿疹を自家感作性皮膚炎にさせないことですので、ちょっとした痒みや虫刺され・湿疹を放置せずに、適切なお薬で早く治すという予防になります。治りにくいかゆみや虫刺されなどは市販薬で自己判断での治療を続けずに、早めにぜひご相談くださいね。

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