【擦過創・切創・動物咬創・皮膚潰瘍:さっかそう・せっそう・どうぶつこうそう・ひふかいよう】
すり傷のことを擦過創(さっかそう)、切り傷のことを切創(せっそう)といいます。いずれの傷も深さにより2種類に分けられ、ごく浅い表皮の傷を「びらん」、真皮より深い位置に達する深い傷のことを「皮膚潰瘍」といいます。
治療は、創(きず)の状態に応じた外用剤や医療材料による保護が中心となります。細菌感染を予防するため、毎日の洗浄処置も重要です。細菌感染を伴う場合は抗生剤の内服や外用も併用し、傷が深い場合は傷の状態によって縫合処置が必要になることがあります。傷を受けた場合はシャワーの流水で傷口をよく洗い流し、傷をガーゼで覆って医療機関を受診してください。出血や痛みを伴う場合は、ガーゼで圧迫し、保冷剤などで冷やしながら来院されるとよいでしょう。
犬や猫などの動物に咬まれた咬傷(こうしょう)は、たくさんの雑菌が付着した牙が深くささり、細菌感染のリスクが非常に高くなるため、しっかりと洗浄を行う必要があります。閉じた創になることも多く、深く閉じている場合は局所麻酔を用いて創を切開して洗浄します。
特に破傷風菌は土の中にありふれており、体内に入り込んでくる可能性があるため、破傷風ワクチンの接種が必要な場合もあります(年齢や過去の接種歴により異なります)。また、狂犬病はすべての犬に狂犬病ワクチンの接種が義務づけられている日本では発生がないものの、海外では発生している地域もまだたくさんあります。狂犬病の発生のある地域に渡航される場合は、前もってワクチンの接種を必ず行いましょう。
診療案内一覧へ戻る