【虫刺症:ちゅうししょう】
日常では、ダニや蚊、蜂などに刺されるケースが多いかと思います。診察中によく「何の虫でしょうか?」と聞かれるのですが、特徴的な虫や経過から明らかな場合以外は、刺された後の皮疹から想像できても確定することが難しい場合も多くあります。イエダニはネズミが運んでくる場合もあり、いくらお部屋の虫退治をしても繰り返す場合に、ネズミの駆除によって発生しなくなったケースもあります。
蜂刺されの場合は、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックを引き起こすこともあるため注意が必要です。特に一度蜂に刺されたことのある方は、前回が問題なくても起こる可能性がゼロではないため、すぐに一番近くの医療機関に受診されることをお勧めします。とはいえ、蜂に刺されたら必ずアナフィラキシーショックになるということではありませんので、慌てずに落ち着いて行動するようにしましょう。蜂以外の虫刺されでも起こることがありますので、虫に刺されて体調不良が起こる場合はすぐにお近くの医療機関を受診しましょう。
草木いじりや山登りなどでダニに刺された場合、稀ではあるもののマダニや特殊なウイルスを持っているダニでは全身のウイルス感染症による重症化のリスクもあり、注意が必要なケースもあります。
軽症であれば自然治癒や市販薬で問題ないのですが、掻き壊しによる悪化や細菌感染、とびひになるケースもありますので、虫刺されくらいと思わず、皮膚科専門医への相談をおすすめします。特にアトピー性皮膚炎や糖尿病など基礎疾患をお持ちの方は悪化しやすい傾向がありますので、早めに受診しましょう。
刺された虫が捕獲・携帯などで撮影できる場合は、実物や画像をご持参いただくとより適切な対応ができたり、すぐにはわからなくても後から調べることで治療や予防に生かせる場合もあります。
赤く腫れて痒い部位には炎症を抑えるステロイド外用剤、強いかゆみには抗ヒスタミン剤などの内服薬を併用します。痛みを伴う場合は、刺し口から細菌感染を起こしているケースも多いため、その場合は抗生剤の内服を追加することもあります。局所は冷やすことで腫れや痒みがおさまりやすいため保冷材などでのクーリングもおすすめです。
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