脂漏性皮膚炎

【脂漏性皮膚炎:しろうせいひふえん】

脂漏性皮膚炎は、赤みやカサカサ・痒みなどを引き起こす皮膚の病気です。頭部や顔(眉毛や目、鼻の周りなど)、足の付け根や陰部などの皮脂の分泌が多い部位に繰り返しやすい傾向があります。

皮脂が皮膚の常在菌で分解され、酸化した皮脂が皮膚を刺激して炎症が起きることが主な原因になります。皮膚の常在菌であるマラセチアという酵母菌も悪化因子とされています。

脂漏性皮膚炎の症状

生後2〜3か月くらいまでの赤ちゃんは、頭部や顔の皮脂が過剰に分泌されるため、かさかさと赤くなる症状として多くみられます。症状が強い部位は治療を行いますが、3〜4か月くらいになると徐々に治まっていきます。

男性ホルモンも皮脂の分泌に関わっているため、思春期以降の成人では男性にやや多い傾向があります。頭皮やお顔(特に眉毛や鼻のわき・口周り)、耳、脇や足の付け根にかさかさと赤い皮疹を繰り返し、かゆみを伴うことが多いのですが、かゆみがあまり目立たない方も時々いらっしゃいます。

皮脂の分泌がさかんな肌質の方は、体調や季節などにより繰り返すこともありますが、適切な治療で症状を抑えながらコントロールことで症状が出にくくなっていきます。あきらめずにぜひ治療を継続していただければと思います。

脂漏性皮膚炎の治療

治療は外用剤(塗り薬)と普段のケアが中心になります。目立つカサカサやかゆみなどの炎症が強い部位には、ステロイド外用剤を短期間、部位に合わせて強さを調整しながら使います。

マラセチア菌を抑えるために、継続的な使用で予防にもなる抗菌剤の外用剤を併用したり、皮脂の分泌を抑えるためにビタミン剤の内服などを補助的に使用する場合もあります。

脂漏性皮膚炎は、過剰な皮脂が残って酸化することで誘発されますので、毎日の洗顔や洗髪といったケアも予防や治療に役立ちます。シャンプーや洗顔などの日常生活のケアも並行して行いましょう。診察の際に、症状や治療についてだけでなく日常生活のケア方法も詳しくご説明し、必要に応じておすすめのサンプル品なども試していただきます。

症状を繰り返すことの多い疾患ですが、良い状態を保つことで徐々に改善していきますので、通院治療を継続していただければと思います。

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