湿疹

【湿疹:しっしん】

皮膚にかゆいぶつぶつができると、一般的には湿疹という言葉をよく使われると思いますが、皮膚科における湿疹の定義は『表皮を炎症の場とする可逆性の炎症反応で、紅斑・丘疹・小水疱・搔痒・落屑などが混ざりじゅくじゅくした皮疹、慢性化すると苔癬化に至る皮疹、これらから成り立つ多彩な皮膚症状を呈する皮膚疾患の総称』となっています。

わかりやすく言うと「お肌が赤くなり、ぶつぶつ痒くなったり、じゅくじゅくガサガサしたり、長く続くと茶色く硬くなったり、時期によっていろいろな形態をしめす、皮膚の表面に限られる炎症の反応」ということになります。

急性期のものでは、湿布・ネックレス・絆創膏のテープ・漆の葉っぱ・銀杏などのかぶれ、あせもや手荒れなどがわかりやすいかと思います。

慢性化すると、皮膚が固く茶色くガサガサごわごわして象さんの皮膚のようになります。長い間繰り返しているアトピー性皮膚炎の症状や、手荒れ・あせも・かぶれが治らず赤茶色く硬くしわが深くなり、ガサガサしてかゆみが続く状態になるようなものが慢性湿疹の状態にあたります。

早めに塗り薬の治療をすることで、硬く茶色く象さんのお肌のようになることは防げますし、もし慢性湿疹でお肌が固く赤黒くなってしまっても、適切な治療を継続することで徐々に改善します。

治療の中心は、炎症の程度に合わせたステロイド外用剤と、原因や悪化要因の除去(かぶれであれば原因となるものをさける、乾燥であれば保湿をしっかり行うなど)になります。ステロイド以外にもいろいろな外用剤がありますので、皮膚科専門医の判断のもとで、症状やお考えに合わせて強さや種類を調整します。

痒いぶつぶつやジュクジュクができた時は、早く治療を開始した方が慢性化しにくく、炎症による色素沈着や痕も残りにくくなります。ごわごわと硬い皮膚になる前の方が症状も早く治まりますので、早めにぜひご相談くださいね。

湿疹は一つの病名ではなく、症状の名前になります。湿疹を呈する様々な病気(アトピー、乾燥による湿疹、手荒れ、かぶれなどなど)があり、それぞれの特長は別の項目で詳しく説明していますのでぜひご覧ください。

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