【皮膚掻痒症:ひふそうようしょう】
皮膚掻痒症は、皮膚表面にあきらかな異変がなくかゆみが生じる病気です。皮膚に何もできていないのにかゆみが続く状態で、全身にかゆみがある場合は汎発性、体の一部のみに発生している場合は限局性に分けられます。
皮膚には何もできていないのにかゆみが強く、掻き壊しのかさぶただけ点在することもあります。赤い斑点やぶつぶつ盛り上がる皮疹は見られない状態です。
皮膚に明らかな異変がないとしても、実は自覚のない「乾燥」がベースにあることも多いのですが、乾燥が見られない場合では内臓疾患や内服中の薬剤が原因といというケースもあります。
さらに、色々な検査をしても原因が特定できないケースもとても多くなっています。糖尿病、肝臓や甲状腺の病気、血液疾患、腎臓の機能低下・透析などが原因となったり、高齢の方ではたくさんのお薬を内服されていてその中に原因がある場合もあります。
乾燥が原因の場合は、保湿剤やステロイド外用剤、痒みに対して抗ヒスタミン剤の内服などで比較的速やかに改善する傾向があります。
原因がはっきりとしない場合は、保湿剤やステロイド外用剤、その他のかゆみを抑えるための外用薬に加えて、抗ヒスタミン薬や漢方薬の内服薬を組み合わせて痒みのコントロールします。原因が内臓疾患や薬剤が疑われる場合は、通常の治療に加えて、原因となる内臓疾患の治療や薬剤の変更などをしっかりと行っていただくことも重要です。
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