【薬疹・中毒疹:やくしん・ちゅうどくしん】
薬疹はお薬が原因で全身に皮疹が生じた状態、中毒疹は原因が特定できない感染症などによって全身に現れる皮膚症状全般をさします。
症状は様々になりますが、全身に同じような赤いブツブツが多発したり、全身に赤い斑点が多発する傾向があります。特に薬疹や薬疹と感染症が併発している場合などでは、炎症が強いと水ぶくれができたり、粘膜(口の中や目の中、陰部など)まで赤みやひりつき、むくみ・腫れ、ただれなどの異常が出る「重症化のサイン」があり、時に命の危険も生じることがありますので注意が必要です。
薬疹が疑われる場合は、速やかに原因と思われる薬剤の中止と治療が必要です。市販の風邪薬やサプリメントなどでも重症薬疹を引き起こすことはあります。
特に薬疹の場合は、飲み始めてすぐよりも10日から2週間経ってから発生することや、これまで長期間服用しているものでも突然アレルギーが発生して薬疹が生じることも珍しくありません。薬の服用中に異常を感じたらすぐに処方医の判断を仰ぎ、皮膚症状があれば皮膚科も受診してください。急に中止することが危険なお薬もありますので、自己判断での中止や継続はせず、必ず担当医の判断を仰いでから調整するようにしてください。皮膚症状が強い場合、すぐに処方医への受診が難しいときはお電話でもかまいません。
薬剤などの原因が明らかな場合はその除去を行い、症状に対する治療を行います。主にステロイド外用剤や抗ヒスタミン剤、重症化が疑われる場合など症状に応じてステロイド剤の内服などで調整します。
原因がはっきりとしない中毒疹の場合では、症状を緩和する治療を行っているうちに体調の改善とともに改善するケースも多いです。また、必要に応じて採血や皮膚生検での組織学的診断を行うこともあります。
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