【痒疹:ようしん】
痒疹(ようしん)は文字通り、非常に痒みの強いぶつぶつと盛り上がるような皮疹が転々とたくさんできる病気です。
かゆみの強い、一つ一つがぶつぶつと盛り上がるような皮疹です。掻き壊すと症状が多彩になったり、長期間続くと一つ一つが茶色く硬くなりイボのように大きく盛り上がって難治になるケースもあります。
1〜2週間で速やかに治療に反応するものもありますが、数か月~数年続き、徐々に硬く大きく盛り上がって難治のものもあります。
高齢者などに多いタイプでは、腰から下腹部を中心に赤く少し盛り上がったような斑点がたくさんできてその中にぶつぶつと盛り上がる皮疹が混在するような多形慢性痒疹というタイプのものもあります。
原因ははっきりとわかっていませんが、虫刺されがきっかけになったり、内臓疾患や糖尿病など皮膚以外の疾患の影響や、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの関与が考えられます。かゆみが強いため、掻き続けてしまうことも一因と言われています。採血やパッチテストなどいろいろな検査をしてもはっきりとした原因を特定することが困難なケースも多いです。
皮膚の炎症に対してステロイド外用剤、かゆみを抑えるために抗ヒスタミン剤の内服を併用するのが基本になります。
結節性痒疹というタイプで難治の場合には、2023年からアトピー性皮膚炎の治療薬として知られるデュピクセントという注射薬も保険適応となりました。費用は高額にはなりますが、医療費制度なども工夫ができるケースがあり、従来かなり難治であった方でも高い効果が期待できるお薬です。
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