【有棘細胞癌:ゆうきょくさいぼうがん】
いわゆる皮膚癌のことを有棘細胞癌といいます。皮膚の一番外側にある表皮は0.2㎜と非常に薄いものですが、上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層と4つの層があり、その中の有棘層から発生する癌が有棘細胞癌になります。
有棘細胞癌は顔や頭皮にできることが多く、紫外線が要因の一つとして考えられていますが、その他には古い傷跡(やけどや怪我のひどい傷跡など)や長期間の慢性的な炎症や治らない傷などから発生するものもあります。
初期ではほとんど盛り上がらない赤いシミのように見えるものもあれば、ほくろのようにみえるもの、盛り上がりが目立ちもこもこと増殖している赤くじゅくじゅくとした塊、腫瘍の塊が目立たず傷のように見えるものなど、進行度合いによっていろいろな状態を示すことがあります。進行すると大きな塊となってじゅくじゅくとただれ、いやなにおいになります。
治療は手術による切除が基本で、十分な深さや大きさでの切除が必要になります。進行していない初期の場合は、手術のみで根治が可能なことも多いのですが、リンパ節転移がある場合は、リンパ節郭清というリンパ節も切除する手術を追加する必要が出てきます。また、皮膚以外の臓器に転移が認められる場合では、加えて抗がん剤や放射線治療を状態に応じて組み合わせて治療を行います。
有棘細胞癌が疑われる場合は、しっかりとした全身の検査や診断、治療が必要になりますので、適切な医療機関と連携をとりご紹介させていただきます。
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